海を知るには山に入ること。

ビーチマネー事務局長を務める私は環境活動を13年ほど行っていますが、湘南から南伊豆に移住してから林業という仕事に9ヶ月間従事しました。

そこでの体験が今の自分にはとっても大きな力になっています。

海にゴミが落ちているように、残念ながら川にも山にも落ちています。

また、今の山はどうして土砂災害が多く発生し、川にホタルを初め、色々な水中生物などがいなくなってしまったのかということも、よく分かるようになりました。

20131211-2

少し山の歴史の話をします。

昔、特にここ南伊豆は石と木炭で生計を立てている人がほとんどでした。

年貢としてそれらを国に納めていたほどです。

その頃の山は、人の手がキチンと入った山で、木炭になるウバメガシ、クヌギ、コナラ、スダジイなどの雑木林がたくさん育ち、『成長しては間伐する』という作業を繰り返していたので、ほどよく光が森に注ぎ、生態系が保たれ、今のように猪の被害も無く、大地深くに根を張る木々のおかげで『緑のダム』という言葉の通り、たくさんの雨(水)を蓄える保水力のある素晴らしい山だったのです。

それが、戦後の電気の普及により、段々と木炭の需要が減り、山主さんは雑木林の管理を手放し始めるのです。

今度は、「電柱を立てるのに真っ直ぐに生える杉や檜が良いぞ」とか、「物凄い数の電柱が必要になってくるからこれはもの凄い需要があるぞ」・・・ということで、国の政策として針葉樹の植林をどんどん進めることになるのです。

山に入り、ビックリするのが、「どうしてこんな急斜面に植樹したのだろう?」、「どうしてこんなに岩が多いところにまで植樹したのだろう?」と思ってしまうほど、ビッシリと植樹がされているから、それはそれは国の政策としては見事に結果が出たのだと思います。

ですが、杉・檜がある程度大きくなるには、最低でも30年ほどの時間が必要です。

その頃には、ご存知のように、木の電柱よりも、今度はコンクリートの電柱の主流になってきます。

そうして、植樹された針葉樹の山々は数十年前から誰も管理することがなく、今では荒れ放題・放置状態の山々がいたるところで広がっているという状況なのです。

一度人の手が入った山は、ずっと人が管理しなくてはいけないのです。

光の入らない、間伐のされていない山には、光が注がず、杉・檜も成長しないで、細いまま、上へ上へ逃げるように細い木々になって不健全な成長をしていきます。

本来の山の姿は、色々な樹種の木々が立ち並び、適度に光が当たり、地下深く伸びる根っこは水分も養分もたくさん蓄えることができ、そこには、たくさんの動物・植物・昆虫などが暮らす山なのです。

そういったことを知り、現場で体感し、ビーチを歩いたり、海の中を潜ると、海の捉え方や海の色が違って見えてくるから不思議です。

海のゴミ拾いをしている時も、同じ気持ちです。

ビーチに視線を落としながらも、次の瞬間、緑の生い茂る山々を眺めたりもしています。

海と山は確実に繋がっています。

海のゴミ問題や堤防の問題、川のダムの問題、山の間伐の問題・・・。

そういった数々の問題を解決していくには、どちらの現場も知って、体感しておくことが大切だと思うのです。

ビーチマネーの活動は、海、川、山をつなぐ環境活動へとステップしていくことも視野に入れています。

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